・新年度の訪れを感じる季節
まだまだ朝晩は寒さが残るが、昼間は厚手の上着なしで過ごせる日が増えてきた。
このような暖かい天気の中ではすっかり春が来たと感じる。
この時期は卒業式や入学式といった別れや新生活のイメージがあり、いかにも「新年度が始まる」という気がする。
だが、このような「春は新生活の季節」と感じるのは世界共通の認識ではない。
なぜなら、他の国は必ずしも4月に新年度が始まるわけではないからである。
というか、むしろそのような国の方が少ないのではないかと思われる。
試しに調べてみたら、日本以外の国ではインドくらいしか見つからなかった。
3月開始の韓国と、5月に始まるタイは比較的近いが、イギリス、アメリカ、カナダ、ロシア、中国など多くの国は9月に新学期が始まる。
つまり、私たちにとって「当たり前」である「春は新生活の季節」という考えは、世界では当たり前ではない。
・新学期の季節は特別じゃない?
日本同様に春に新学期が始まる国はあるものの、その数は決して多くはない。
世界では9月に新学期が始まる方がメジャーである。
しかし、私にはどうも「秋に1年がスタートする」ということのイメージが付かない。
彼らにとっては、それが当たり前なのだろうか…
日本に蔓延るアメリカ都市伝説を検証した記事で、聞き取りをしたことをきっかけに今も交流を続けているアメリカ人男性がいる。
先日彼にその話をしたらこんなことを言われた。
よくよく考えたみたらその通りである。
日本では自身が学校を卒業して就職した後も、毎年4月になれば、勤め先の企業に学校を卒業したばかりの新入社員がやって来ることが多い。
それに合わせて、人事異動が行われることも珍しくない。
しかし、ほとんどの国では、人を雇う時は欠員補充が原則である。
そのため、毎年4月になったら職場に新しい仲間がやって来るとは限らない。
新卒一括採用というシステムが存在せず、彼らに4月1日にスーツ姿の新入社員が大勢集まっている日本の入社式の写真を見せたら「4月1日はエイプリルフールだからってそんな冗談はやめろよ」と言われるかもしれない。
話を戻そう。
たしかに、多くの国では9月に新学期が始まり、学生時代は「秋が新生活のスタート」と感じることがあるかもしれないが、学校を卒業してしまえば、多くの人にとって新学期が始まる季節は特別なものではない。
・今年はどんな年になるかな?
「日本では多くの人が春に新生活の訪れを感じる人が多い」と言ったが、私は今の生活でそのように感じることはない。
自分自身が学校を卒業した直後に、4月1日の入社式を経験して働き始めたわけではないということもあるが、その後も正社員として入社式を行う会社で働いた経験はない。
そもそも、入社式という考えが好きではない。
自分がいかに恵まれている人間であるかということに無自覚で、「これがチャンスだ!」とばかりに新入社員に偉そうな説教をするオッサン・オバハンが大嫌いだから。
そんなこともあり、入社式というものが存在しない海外の暮らしを羨ましく感じていた。
しかし、先のアメリカ人男性に日本の新年度の風習を話した際に言われたことが気になっている。
なるほど。
たしかにそのような考え方もある。
今の私は4月1日を境に変化が起こるような生活を送っているわけではないが、「新年度になれば何かあるかも」と思えば「退屈な生活も変わるのでは…」という期待を持つことができる。
もちろん、自分の生活を変えるためには、自分自身が変わることが不可欠だが、そのような期待感を持つことが、心の支えにつながるのかもしれない。