優しさと思いやりがないのなら女性専用車両なんて要らない

前回のテーマは関東の鉄道会社で行われていた「痴漢撲滅キャンペーン」だった。

その記事はシリーズものではなく1話完結の予定だったが、偶然にも関連するネタが舞い込んできたため、追加で続編をお送りすることにしよう。

・素晴らしい教育者と最低の駅員

数日前の朝の出勤時のこと、私はいつものように電車を降りた。

その駅は全国でも屈指の混雑路線として有名なJR東日本の某駅である。

その日も電車を降りた後は大勢の人の流れに沿って、エスカレーターまでゆっくりと向かっていた。

そんな時、ホーム上に小学校低学年(もしかしたら、幼稚園や保育園児の可能性もあり)と思われる団体が並んでいた。

「よりによって、こんな朝の混雑時に電車に乗る必要ある!?」

と思ったが、子どもの集団にありがちな無秩序に暴れるということもなく、引率者の指示に従って、周囲の妨げにならないよう大人しく乗車位置に整列している様子だった。

周囲への配慮など一切なしにスマホやイヤホンを使っているバカな大人に爪の垢を飲ませたいほど礼儀正しく。

きっと、指導者がしっかりとした人なんだろうと感じた。

その理由は彼らが編成の端の車両に乗ろうとしていたことにも表れていた。

多少歩くことになるが、端の車両を利用すれば、多少の混雑を回避することが出来て、子どもたちにとっても安全だし、大勢で乗車することになっても、他の通勤、通学客への影響が少ない。

加えて、その車両は後述する(タイトルでバレバレだろうけど)特殊な車両だった。

子どもたちだけでなく、他の乗客へも配慮を欠かさず、両者にとって最善の方法を事前にしっかりと把握しているのだから、本当に素晴らしい教育者だ。

そう感心していた。

そんな感動もある人物の出現で一気にぶち壊された。

その人物とは駅員の男であり、彼は引率者の女性にこう言い放った。

駅員:「ここは女性専用車の列なので、他の車両をご利用ください」

傍目にそれを聞いていた私は、なぜ彼がそのようなことを言ったのか全く理解出来なかった。

もちろん、子どもたちの中には男児もいるだろうが、どんなに大きく見積もっても小学生なので、問題はないはずである。(ちなみに、私が視認した限り、男性の引率者はいなかった)

実際に、JR東日本のホームページには「女性専用車は、小学生以下の男の子、お身体の不自由な方とその介助者の男性にもご利用いただけます」と書いてある。

女性専用車のご利用について:JR東日本 (jreast.co.jp)

それに、ただでさえ、混雑する路線なのだから、編成の端であることに加え、男性が利用出来ず、少しでも空いているであろう女性専用車両を利用するのは理に適っている。

女性専用車両の案内はどの駅でも(個人的には不快指数100%と感じる程)デカデカと掲げられており、彼女も気付かなかったり、勘違いしていたとは思えず、それを承知であえて女性専用車両を選択したのだろう。

私が駅員なら、むしろ、こう言いながら感謝するだろう。

「他のお客様へご配慮頂き誠にありがとうございます!!」

・専用車ではなく優先車

先の駅員は「こいつら分かってねえなあ~」と言わんばかりの、いかにも自分が教えてやっているみたいな態度で注意していたのだが、彼の方がよっぽど素人だと思う。

1両しかない女性専用車両に大勢で乗ったら、他の利用者から「迷惑だ!!」とクレームが殺到するのだろうか?

大都会東京では毎日のようにトラブルや醜い光景が繰り広げられるが、そこまで民度が低い乗客は多くないと信じたい。

もし、居たとしても、(集団で「降りろ!!」コールをして盛り上がる下品なアバズレ共のような大声で)毅然とした態度で突っぱねるべきである。

そもそも「女性専用車両」などと謳っているが、「男性客の立ち入りは一切禁止されている」という法的根拠があるわけではなく、優先席(シルバーシート)と同じように、鉄道会社が乗客に任意で協力をお願いしているだけに過ぎない。

鉄道営業法 -「女性専用車両」男が乗っても法的にはOK | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

極論だが、小学生以下の子どもや障害がある人に限らず、誰でも乗ることが出来て、仮に男性が乗り込んでも、(騒動になることはあっても)違法性は無く警察に逮捕されるということはない。

「女性専用車」という誤解を生む名称が間違いであり、「女性優先車」とでもしておくべきなのである。(もしくは実態に合わせて「女性占領車両」とか)

というよりも、男女平等を謳い、性差別に敏感なこの時代に、ピンクの標識で堂々と「Women only」などと下劣な言葉を掲げる神経が理解出来ない。

男性の外国人観光客がそんな文字を見たら、思わず「Japanese only」と言われていると感じるのではないか?

2020年の東京オリンピック開催に合わせて、こんな日本の恥部は排除すべきだったのだが、幸か不幸か、コロナの影響で多くの外国人が来訪することもなくなり、世界に醜態を晒す機会もなかったのが残念である。

外国人観光客の話が出たので、海外の話にも触れると、諸外国人も女性専用車が存在する国はある。

たとえば、ムスリムのような宗教的観点から、男女の同席を忌避する国。

それから、フィリピンやインドネシアのように、鉄道を含む社会インフラがまだまだ発展途上で乗客の安全が十分に確保出来ない国。

イギリスやアメリカのような先進国では過去に実施されたことがあるが、性差別につながるとして、とっくの昔に廃止されている。

さすが男女平等の道を歩む国は覚悟が違いますな。

前々回の記事でも触れたように、自称フェミニストは事あるごとに、海外の事例を取り上げ、日本がいかに国際社会から取り残されているかを指摘するが、このような都合が悪い時は見事にスルーする。

・他人に優しく出来ない人間に社会から守られる資格などない

女性専用車が存在する社会が不健全であることは間違いのだが、前回の記事でも触れた通り、痴漢を全力で擁護する反社会勢力の存在を考えると、直ちに廃止することが無理ということも明らかである。

ただし、利用する際は「男性の排除ではなく、あくまでも理解や協力、思いやりの上に成り立っている」という謙虚さを忘れてはならない。

というわけで、朝のラッシュ通勤時間帯に子どもの集団が乗車するようであれば、彼らを混雑から守るために、快く迎い入れるべきである。

そのような場面で利用されるのであれば、私も反対しない。

逆に、「子どもがいたら、自分が乗れなくなるから他の車両に移れ!!」と主張するような女など言語道断である。

間違っても、女性専用車は都合が良い時だけ女性を主張する下品で攻撃的なモンスター(クソフェミ)が騒ぐことで獲得した権利ではないし、あんな思いやりの欠片もない差別主義者こそ「女性専用車の精神に反するならず者」として真っ先に叩き出すべきである。

自分は人や社会から守られているのに、同じように、立場が弱い人を守ろうと一切考えない傲慢さやツラの皮の厚さは万死に値する。

そんな利己的な差別主義者には社会に守られる権利などないし、そんな連中の溜まり場となるのであれば女性専用車など即刻廃止すべきである。

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