「ネカマ」というネット用語がある。
ネットワーク上で女性のように振舞う男性のことで、「ネットワークにおけるオカマ」の意味である。
インターネットは顔が見えず身元の知れないコミュニティであり、掲示板などの文字主体コミュニティでは文体から推定する他に性別などを判断する根拠がない。
これを利用して、女性のフリをして他の男性の気を惹こう、あるいは煙に巻こうとする行為がネカマに当たる。
今日は、私がペンパルサイトで知り合った女性とのやり取りで「もしかして、この人はネカマなのか?」と思った時の話をしようと思う。
・少しお兄さんだけど
昨年の4月、Hi!Penpal!で韓国人の女性と出会った。
彼女はそのサイトで出会う多くの韓国人と同様に日本語を勉強していて、私とのやり取りも日本語で行っていた。
1週間程サイトでやり取りをして、特に怪しい相手でもなかったので、私たちはLINEを交換することになった。
当時の彼女は職探しをしており、若者の就職事情の話を聞くことが多かった。
彼女は大学で社会福祉を専攻していたため今後もその道に進みたいようだが、一般事務での就職も考えて、そのための資格取得を目指しているらしい。
韓国でも一般事務は人気の仕事で倍率が高く、企業は経験がある人よりも、学校を出たばかりの若い人を好む点は日本と同じようである。
その他には、お互いの家族の話もした。
ちなみに、当時の彼女は26歳で、プロフィールに「同年代の友達を探している」と書いていた。
私はそこまで歳が離れているわけではないが、「同年代」と呼べるかは微妙だったので、最初のメールでそのことについて確認したら、こう言われた。
彼女にとっては許容範囲だったものの、「26歳の人から見たら、自分は『少しお兄さん』と呼ばれる年齢になったのか…」という寂しい気持ちになった。
・あなたは誰?
そんな彼女とのやり取りだが、LINEでのやり取りの方も、およそ1週間で終了した。
当初の見込みよりも、短かったのは残念だったが、特に問題が起こることもなく、無事に関係を終えることができたと思っていた。
そんな考えが一転したのが昨年の大晦日。
直近の状況がどうであれ、私は前年にやり取りをした人には、ケンカ別れした場合を除いて、新年のお祝いメールを送ることにしている。
海外の人へ「明けましておめでとう」のメールをする時は相手の居住地の時間を考慮しなければならないため、事前にリストを確認して、送信する順番を整理している。
そこで、LINEのメッセージボックスに目を通していたら、全然知らない男性の顔写真を見かけた。
名前はハングル文字になっているので、おそらく韓国人だろう。
だが、私には全く心当たりがなかった。
「誰、これ?」
念のため、中身を確認してみると…
それは彼女とのやり取りだった。
え!?
彼女は女ではなく男!?
以前の顔写真もぼんやりとだが憶えているものの、顔つきが全く違うため、髪型や服装を変えて男のように見えるだけとは考え難い。
もしかしたら、好きな芸能人の顔写真を使っているのか?
そう思って、顔写真をネットで検索したが、一件もヒットしなかった。
ということは、やっぱり、こっち(男)の方が本物で、やり取りを終えて日が経ったから、「そろそろいいかな…」と思って、成りすましを解いたということだろうか…
つまり、彼女(彼)はネットで女性のフリをして男性とやり取りをしていたネカマだったのだと。
ネカマがもっとも跋扈するであろう場所は出会い系サイトやマッチングアプリである。
そのようなサイトは男性のみ有料であることが多いため、運営元がサクラを雇ったり、援デリ業者の客引きや、個人情報収集目的のために女性のフリをして近づく悪徳業者が少なくない。
ペンパルサイトは出会い系やマッチングアプリ程多くはないが、そのような業者が少なくないことはこの記事でも説明した通りである。
・男の正体
私がネカマに引っかかったとしても、損失はLINEのIDくらいである。
それでも、ネカマに引っかかるのは不愉快だ。
まるで、自分が下心を持っていて、そこに付け込まれたかのような屈辱的な気分になってしまうから。
その影響で、年明けにHi1Penpal!で多くの人に出会った時もLINEの交換に踏み込めなかった。(その時の詳しい話はこちら)
そんな彼女(彼)だったが、先日新たな動きがあった。
LINEの顔写真が変わり、再び彼女の顔が見られるようになったのである。
そして、彼女に顔を近づけるように例の男性の顔も一緒に映っていた。
つまり・・・
男性の写真は彼女の恋人、もしくは結婚相手だったのだ。(たぶん)
ステータスメッセージには日本語で「○○くんとずっと一緒」と書かれており、○○君というのが、彼の名前なのだろう。
要するに、彼女が女性に成りすましたネカマというのは私の早とちりだった。
彼女とはネカマ疑惑について、何らかのやり取りをしたわけではなかったが、疑って申し訳なかった。
しかし、いくら彼氏が愛おしいとはいえ、その写真をLINEのプロフィール画像に使うとは…
世の中にはいろんな考えの人がいるものだ…