新年のあいさつと英会話フレーズのストック

昨日は元日だった。

私は年賀状など一切書かないが、ペンパルサイトで知り合った人には簡単な新年のメッセージを送るようにしている。

「明けましておめでとう」を英語で言うと、「Happy New Year」となる。

これは簡単なフレーズなので、多分ほとんどの人が知っていると思う。

・ Happy New Yearの続き 

問題はその次に使うフレーズである。

新年のあいさつに大した意味などないが、さすがにこの一言で済ませるわけにはいかない。

せめてもうひとフレーズ付け加えておきたい。

手持ちの本やネットで調べてみるといろいろ

・Have a great year

・I hope you will have a great year

・I wish you (and your family) a great year

・May this year be a great year

というフレーズが出てきた。

意味はどれも「よいお年を」となる。

はたしてどれを使うべきか・・・

・意味がほとんど同じなら1つのフレーズだけ覚えればいい

私はこういう場面では必ず

I hope you will have a great year.

と書くようにしている。

理由はこれが相手がどんな立場の人であるかを問わずに使える汎用性の高いフレーズだからである。

もし、私が英会話のフレーズ集の本を読んでいて、同じページにこの4つが新年のあいさつとして収録されていたら、I hope you will have a great yearだけを徹底的に身に着くまで反復して、残りの3つは深く関わらずに「へえ、こんな表現もあるんだ~」くらいの感覚に留めておく。

Have a great yearは親しい相手向けの表現に、May this year be a great yearはとても丁寧な表現となるのかもしれないが、これらのフレーズは1年に1回しか使わないので、そこまで深く考え込む必要はないと思う。

すべてを暗記して、親しい相手にはこれを使おう、年上の相手にはこれを使おうと思ったら、結局、頭が混乱して何も出てこなくなる。

これは手紙やメールの定型文だけの話ではない。

一定の知識や経験がある人ならともかく、初心者がスピーキングやライティングの時に使用する英会話のフレーズを覚えようとするなら、いくつもの類語を覚えようとせずに「この場面では、この言葉を使う」ということをあらかじめ一つのフレーズに絞っておいて、すぐに取り出せるように反復練習をするほうがいいと思う。

・人にお願いするときは何と言いますか?

次のフレーズを見てほしい。これは英会話のフレーズ本の「相手への依頼、お願い」というページに収録されていた文章である。(赤文字はキーとなるフレーズ)

・手伝ってもらえませんか? Will you give me a hand?

・カーテンを開けくださいませんか? Could you open the curtain?

・電話に出てくださいませんか? Would you please answer the phone?

その他、Please, I want you to, I’d like you toなど

という具合に9つの日本語の文に対して、「~してもらえませんか?」というフレーズが8パターン紹介されていた。

これを全部覚えようとしたら、たちまち大混乱になる。

いざ、使おうとしたら「どれだろう・・・どれだろう・・・」となって、結局、出てこないということにならないだろうか・・・

初心者が学ぶには汎用性が高くて失礼にあたらない「Would you please」か「I’d like you to」に絞って、9問すべて同じフレーズで練習して、基礎が固まった後に別のフレーズを覚えた方がいいと思うのだが・・・

一応、フォローしておくと、この本は

・動詞(相手にやってもらいたいこと)の前にPleaseやWill youを付けるだけでOK。

・WouldやCouldなどの過去形を使えば丁寧な言い方になる。

・I want you toやI’d like you toは相手にやってもらいたいことを直接言うのではなく、あくまで間接的に自分の気持ちを伝える言い方。

と説明しているので、良心的な本だと思う。

何の説明もなく、ただ漠然と「いくつかのバリエーションがあります。あれも覚えましょう。これも覚えましょう」と書いてある本を(しかも初心者向けと称している)私は何冊も見てきた。

・「基礎」を軽視する詰め込み教育信者たち

よく詰込み型の教育と反復練習を重視する基礎教育はイコールで語られているが、英会話の場合は「あれも、これも」と言って、いくつもの表現を詰め込むことが「基礎を固める」ことなのか?

私は、バリエーションは少なくてもすぐに取り出せるストックを作ることが「基礎を固める」という意味であり、その基礎が固まった後にバリエーションを増やしていけばいいと思う。

だから、英語学習の初心者は「あれも覚えなきゃ、これも覚えなきゃ」と焦らないで、自分の使う言葉をじっくりと選定して、その言葉を繰り返し使いながら身に着けてほしい。

もちろん、リーディングやリスニングの試験を受ける時には、様々な文に幅広く対応できるにように、できるだけ多くの単語やフレーズを覚えておくに越したことはないだろうが・・・

ただし、インターネットで外国人とメッセージの交換をするということと英語の試験を受けることは違う。

相手は人間なので、お願いして別の言い方に替えてもらうこともできるし、どうしてもわからなければgoogleの翻訳機を使っても構わない。

また文章を、間違えたり、不自然に書いたりしても理解してくれる。

・同じ言葉を繰り返し使うことは恥ずかしい?

よく同じ言い回しばかりだと、「相手に子どものような印象を与える」という人がいるが、これは本当かどうか疑わしい。

日本語を勉強中の外国人がメッセージを送ってきたとする。

・私は 今日 しごとが 休みでした。

・私は 今日 私のいえで テレビを 見ました。

・私は 犬を かっています。

・私は 今日のゆうがたに 犬とさんぽに行きました。

この文章を読んで、

なんて幼稚な文章だ!!何度も何度も「私は、私は」と使うな!!

・今日は仕事が休みで、家でテレビを見ていました。

・夕方には飼っている犬の散歩に行きました。

と書き直せ!!

と思うだろうか?

ほとんどの人はそんなふうに思わないと思う。

というよりも、「相手に子どものような印象を与えたくない」と言えばもっともらしい理由に聞こえるが、言い換えてみると「相手にカッコよく見られたい」と思っているに過ぎない。

なんという自意識過剰な勘違いだろうか…

相手のことを考えているつもりでも、結局は自分のことしか考えていないのである。

相手にどう思われるのかを気にして、何も言えずにいることの方が恥ずかしいのではないだろうか・・・

「あれもこれも」覚えなきゃ、さもなければ相手に笑われると怯えるのではなく、たとえ、手持ちのフレーズは少なくても勇気を出して一歩踏み出してみよう。