「英単語は毎日コツコツと覚えよう」という考えの落とし穴

前回の記事では「英検準1級に合格するために単語を重点的に勉強した」ということを書いたのだが、今日はその時の勉強中に得たヒントの話をしたい。

これまで何度も書いてきたことであるが、使いこなせるかどうかは一先ず置いておくとして、試験に出てきても困らない程度のレベルとして語彙を増やしたいのなら、何度も繰り返し目を通すことが一番効果的である。

ポイントは何度も繰り返すことである。

だが、何度繰り返しても覚えることができなければ、段々と嫌気がさしてくる。

初見から、23日経っても覚えることができない程度であるのならまだいい。

これが、1週間、2週間と毎日目を通してもなかなか覚えることができないと、「ひょっとして自分は脳に欠陥があるから上手く記憶することができないのではないか?」と思ってしまうこともある。

私が準1級の勉強をしていた時は2冊の単語帳を使い毎日500語程度の単語を繰り返し覚えていたのだが、その中でもなかなか覚えることができない単語をリストアップして、通常のメニューとは別に毎日復習していた。

しかし、そのように抜粋した単語は毎日目を通しているにもかかわらず、通常のメニューの中で出くわした時になかなか思い出すことができなかった。

毎日コツコツと復習しているのに、どうして覚えることができないんだ!?

忘却曲線(エビングハウス曲線)の理論に照らし合わせれば、とっくに定着していないといけないはずなのに…

と、当時は悩んでいたのだが、この「毎日コツコツと覚える」という考えにはとんでもない落とし穴があった。

それは、無意識の内に

「毎日コツコツ=1日に1回」

と制限をかけていたことである。

その場限りの記憶は全く当てにならない。

だから、毎日目を通して勉強しているつもりになっても、実はその直後にはすでに頭から抜け落ちていることの方が多い。

というよりも、そもそも頭に入ってすらいないのではないかと思われる。

試しに単語の勉強中になかなか覚えられない単語が出てきたら、時間を置かず、すぐに復習してみてほしい。

本当に直後である。

1時間とか、10分とかでなく、数十秒後にである。

たとえば、当時私が使用していた単語リストの一部を取り上げてみる。

unwittingly 知らずに、うっかり

watchful 用心深い

wry 皮肉っぽい、顔をしかめた

retrieve 取り戻す

expel 追放する

concede しぶしぶ認める 

monopolize 独占する

contaminate 汚す

elude 巧みに逃れる

hinder 妨げる

この中で、赤文字になっているwry, monopolize, eludeが分からなかったとする。

そうしたら、次のページに移る前に、もう一度すべて復習してみてほしい。

一度躓いた単語はもう思い出せなくなっている可能性が高い。

そこで思い出せなかった単語を再確認する。

そうだった。

wry皮肉っぽいで、monopolize独占するelude巧みに逃れるの意味だった。

よーし、今度こそしっかりと覚えたぞ。

さて、次のページへ移ろう。

と、せずにもう一度確認してみよう。

さて、monopolizeは何だったでしょう?

なかなか覚えられない単語は、ここでもすでに忘れている。

何とかすべて思い出すことができたら、次のページへ…

と、せずに今度はそのページのすべての単語をもう一度復習してみよう。

このように、一度だけでもいいから、自分の記憶を疑って、短時間のうちに何度でもしつこく思い出す練習をしてみよう。

そこまでやった後に毎日目を通すと、さすがに思い出せないということにはならない。

毎日コツコツと勉強することは大事だが、何も意識せずにダラダラと「11回同じ単語に目を通す」という日課を繰り返すだけでは時間の浪費にしかならない。

「毎日コツコツと復習しても全然思い出すことができない」と悩んでいる人は、今日紹介した「粘着ベトベト」復習法をぜひとも試してみてほしい。