ペンパルサイトのプロフィールには「日本語を教えます」と気軽に書かない方がいい

ペンパルサイトで登録者のプロフィールを見ていると、国籍や居住地に関係なく、「自分の国の言葉を教えます」と書いている人が多い。

フランス人なら「あなたにフランス語を教えます」、韓国人なら「あなたに韓国語を教えます」というように。

同じように「私はあなたに日本語を教えることができます」と書いている日本人も少なくない。

ただし、日本語教育の訓練を受けたり、資格を取得した人でないのなら、このようなことは書かない方がいい。

・日本語への訳し方を教えてください

以前、フィリピン人からこんなメッセージが送られてきた。

「日本語では外国語をそのままの音で翻訳する時にカタカナを使うと聞いたのですが、その翻訳の仕方がわかりません」

彼は、「stop」という単語を例に出した。

英語の「stop」は日本語では「止まる、止める」へと訳されるが、そのまま「ストップ」とカタカナ書きにしても日本語として通用する。

しかし、彼はこの「stop」を「ストップ」とカタカナに置き換えるプロセスが分からないらしい。

彼は「s」が日本語の「サ行」、「p」は「パ行」の音に近いということは翻訳されることは理解しても、

「なぜ語頭の「s」は「サシスセソ」のなかの「サ」でも「シ」でもなく「ス」を使うのか?」

「語尾の「p」は「パ」でも「ピ」でもなく「プ」の音になるのか?」

を知りたいのだという。

私は何と答えたらいいのか分からず、とりあえず

「『ストップ』は『stop』の日本語として、そのまま覚えたらいい」

と答えたのだが、彼は納得しなかった。

次に彼は「basic」という単語を持ち出してきた。(なぜ、この単語だったのかは不明)

これも日本語ではそのまま「ベーシック」とカタカナに置き換えることができるが、

「なぜ「ベシク」とならないのか?」

「『-』と『ッ』の文字はどこから生まれるのか?」

「そもそも、その意味は何なのか?」

と聞いてきた。

ここまで来ると、さすがに日本語で説明することすら難しくなるので、「私は日本語教師ではないので、これ以上詳しく知りたいのなら別の方をお探しください」と言って、彼にはお引き取り願った。

私は自分のプロフィールに「私はあなたに日本語を教えることができます」と書いていなかったので、彼は納得してくれたが、プロフィールに「日本語を教えます」と書いている人は、彼の質問にすべて答えるくらいの覚悟を持っておいた方がいい。

・どんな日本語なら教えることができるのか?

私は日本語教師ではないので、日本語を教えることはできない。

これが私のスタンスなのだが、なかには真面目で勉強熱心な外国人もいて、彼らの質問に「私は日本語教師ではありません」と言って、突っぱねるのはいい気がしない。

できることなら、彼らの力になりたい。

私の経験では、日本語の基礎知識までは教えることはできないが、細かいニュアンスや単語の使い分けは教えることができた。

たとえば、

・「昨日」という字は「きのう」と読む場合と「さくじつ」と読む場合がありますが、どう使い分ければいいのですか? また違う意味になるのですか?

・「信頼」と「信用」はどのような違いがありますか?

・「パワハラ」と「ブラック企業」はどう違いますか?

など。

これらの質問は日本語教育の訓練を受けていなくても、日本語を使って生活してきた経験から答えることができる。

このような質問に対しては答えてあげた方がいいと思うのだが、自分が知らないことは無理に調べたりせずに、正直に「分からない」と答えた方がいい。

一度、楽を覚えたらクセになるのは国籍問わず人間の性のようで、こちらが分からないことでも無理して調べて教えようものなら、こっちの苦労など考えず、毎日のように質問をしてくる人がいる。

まあ、自分のプロフィールに「日本語を教えます」と書いているのなら、それは当然なのだが・・・

・答えるか否かの基準

ここで、「日本語を教えてほしい」と頼む外国人の質問に答えるべきか、突っぱねるべきかを判断する簡単な基準をお伝えする。それは相手が

「質問を日本語でしてきたか?」

である。

厳しいかもしれないだが、これくらいの意気込みがない人でないと、こちらが下手に優しくしても、続かないか、自分で調べようとせずに何でも聞いてくるようになる可能性が高いので、それが英語で説明できるような簡単なことであっても、答えない方がいい。

その方が本人のためだと思う。

というわけで、日本語を勉強している外国人の質問に答えることはあっても、ペンパルサイトのプロフィールには決して「私はあなたに日本語を教えることができます」と書かない方がいい。