実際には顔を合わせないネット上だけのやりとりでは、どんな人となら長期的にメッセージの交換を続けることが出来るのだろうか?
今日はその話をしたい。
・長い付き合いができる人はほんの一握り
まずは「長期」の定義であるが、私の個人的な感想では3ヶ月以上メッセージの交換が続けば、充分長期的な関係だと思う。
3ヶ月以上メッセージ交換を続ければ、相手がアカウントを削除してメールボックスに顔と名前、国が表示されない人であっても、メッセージを読み返すだけで、相手がどんな人だったかを思い出すことが出来る。
実際に顔を会わせないネット上のコミュニケーションだけで長期的な関係を維持することはそれだけ難しいのである。
それが1年以上続けられる相手など、ほんの一握りの例外と言ってもいい。
というわけで、今日は私がメッセージの交換を1年以上続けることができた相手はどんな人だったのかを書こうと思う。
それでは最初に私がInterPalsで知り合った相手とどれくらいの間、メッセージのやりとりが続いたのかを簡単にまとめてみる。
3年以上:0
1年以上:9
6ヶ月以上:12
3ヶ月以上:13
1ヶ月以上:35
15日以上:49
7日以上:33
1日以上:11
1日のみ:48
合計 210
(2018年12月現在)
期間の振り分けはメッセージのやり取りを行った最初の日と最後の日の期間を元にして行う。(新年や誕生日のお祝いメールのみのやり取りは除外)
これを見て最初に目につくのが、210人中1/4近くが一日でメッセージのやりとりが終了していたことである。
そして一週間以内には全体のほぼ半分の人と連絡が途絶えることになる。
集計の結果、1年以上交流が続いた人は9人。
全体の0.5%以下だった。
それでは、その9人がどんな人だったのかをまとめてみる。
・出身国
InterPalsではプロフィールには居住地が表示されるが、ここでは彼らとの会話で判明した出身国に焦点を当ててみる。
・タイ
・フランス(日本在住)
・南アフリカ(オマーン在住)
・ロシア
・バングラデシュ
・アメリカ
・イギリス
・メキシコ×2人
特定の国へ偏りはなく、地域もアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、ロシアと分散していた。
また特別に英語が母国語の国が多いというわけでもなかった。
・性別と年齢
性別は全員が私と同じ男性である。
恐らく、異性だと友達や話し相手を探しているつもりでも、相手に何かしらの幻想を持っていて、会話を重ねることで、それが壊れて気持ちが離れてしまうのではないだろうか・・・
年齢も性別と同じく、ある程度はっきりとした傾向が表れた。
9人中2人は20代だったが、残り7人は35歳から49歳の間の中年層だった。
つまり、若年層ではなく、高齢層でもない、中年層が多いという結果になった。
高齢層は知り合った人数自体が少ないため、「高齢層とはメッセージの交換が続かない」と断言することはできないが、34歳以下、特に20代のユーザーとは何十人(もしかすると100人を超えているかもしれない)とメッセージの交換を行ってきたにもかかわらず、そのほとんどは1年も関係を維持できないという結果になった。
これは私の推測だが、20代の人は仕事をしていない人が多く、彼らは時間を持て余しているためペンパルサイトに来ているのではないだろうか。
世界には先進国、新興国を問わずに若年失業率の高さが問題になっている国が多くある。
日本では「若い」という理由だけで採用に有利になるが、海外には新卒一括採用など存在せず、職務経験がある中高年の求職者が評価され、職務経験のない若者は大学を卒業しても職に就けないことが多い。
実際、私もペンパルサイトを利用していて、大学は卒業したが、職に就いていない若者に多く出会ってきた。
彼らは社会への不満や、日々の生活の中で感じる孤独をよく私に話してきた。
そんな彼らも仕事に就いて忙しくなってきたのか、ペンパルサイトに来ない日が増え、いつの日か完全に来なくなった。
まるでPuff the Magic Dragonの歌詞に出てくるジャッキー少年のように・・・
このようにして連絡が途絶えた若者が何人もいた。
(もっとも、その方が彼らにとっては幸せなのかもしれないが・・・)
このようなケースが何件あるのかはわからないが、20代の人とは長い期間の関係を築くことが難しかった。
その点、35歳を超えると生活もほとんど変化することなく、安定しているので、定期的にペンパルサイトを訪れる余裕があるのだと思う。
また精神的にも成熟しているので、オンライン上での距離の取り方も上手いのだろう。
数日、連絡をしなくても、それだけで今までの関係が崩れるということはない。
一方で、私が即レスしなかったり、傷つくことを言われたりという理由で激怒し、私を友達リストから外した20代は3人いた。(その時の記事はこちら)
何年か前に中学生の間でLINEの既読スルーがいじめに発展するというニュースを聞いたことがあるが、外国人も似たようなところがあるらしい。
・メッセージを送った動機
この9人は全員、私が最初にメッセージを送ったのではなく、相手が私にメッセージを送ることからやり取りが始まった。
最初のメッセージから、彼らが私とやり取りを始めようと思ったきっかけを拾い集めてみる。
・日本に関心があった:2人
・日本語の勉強相手になってほしかった:1人
・私の名前に関心があった:1人
・とくに理由はなく「Hi」、「Hello」などの短いあいさつから始まった:5人
最初の「日本に関心があった」の2人は、特に日本への留学や就職を考えていたわけではなく、日本のアニメ、漫画、風景に興味があり日本好きになった、そして日本人と友達になりたいという希望を持つ人だった。
「日本語の勉強相手になってほしかった」という動機については詳しく説明する必要はないと思う。
私は日本語教師の資格どころか日本人に英語を教えた経験もないため、私にその役が務まったのかは疑問だが・・・
もっとも、彼はすでにある程度の日本語を身に着けていたので、私が苦労したということはなかった。
ただ、ある程度の漢字を読めても、カタカナは全く読めないという人がいたのは意外だった。
「私の名前に関心があった」とは私の名前がその国では別の意味の言葉になるので、それと関係があるのかという疑問からメッセージを送ったものだった。
一番多かったのが、特に意味はなく短いメッセージを送ったという人だった。
私も最初はここまで、メッセージのやり取りが続くとは思っていなかった。
・内容
会話の内容は様々だったが、最初はお互いの生活の話から始まることが多かった。
例えば、
・家族と同居しているか?
・どんな仕事をしているか?
・休日は何をしているのか?
など
このような相手の個人的な話しを聞いてから、それを社会の話へと拡大するという、個人の話しと社会の話しを適度に混ぜることで会話を続けることが多かった。
社会の話とは、政治や宗教のように個人の内心、信条に踏み込む話はトラブルを生む可能性があるためできるだけ避けて、多くの場合、お互いの習慣、慣例、制度の話をすることにした。
例えば、アメリカ人が「昨日、風邪で会社を休んだ」というメッセージが送られてきた時は
早川:「日本には国民全員が健康保険に入って(~以下、日本の国民皆保険制度ど3割負担の話をする)、それに対して、アメリカでは国民全員が加入する健康保険がないから低所得者が保険に入れず、彼らが一回病院に行くと、とんでもない高額な医療費がかかるという話をよく聞きますが、それは本当ですか?」
アメリカ人A:「僕は会社の保険に入っているから、病院に行くだけならそこまで高いお金はかからない。だけど、フルタイムで働くことができない人は大変だと思う。なぜなら~」
というような具合にである。
以上、大雑把であるが、私が1年以上メッセージの交換を続けることができた相手がどんな人であったかをまとめてみた。
今後、機会があれば、(本人の承諾を得た上で)彼ら一人ひとりの人物像についても書いていこうと思う。
追記:個人を特集した記事はこちらのカテゴリーに入れてあります。
・まとめ
最後にオンラインの関係で長期間にやり取りを行うことができる相手の特徴をまとめてみる。
①:国籍や出身国は関係ない
②:性別は同性であること多い
③:年齢は中年層であることが多い
④:最初にメッセージを送る動機は「どうしてもこの人と話したい」という強いものではなく、案外適当であることが多い
⑤:個人の話と社会の話をバランスよく組み合わせることができる人であること