・私は英語の指導をしません
私は職場で「英語を勉強しています」と同僚に話したら、「私も最近、英語の勉強を始めたので教えてください」と言われたことが、これまでに何度かある。
その時はこのブログで書いてあることと同様に、自分が英語を勉強した方法や使った本を紹介してきたが、直接指導をしたことはない。
その人が間違った英語を使っていても、「私の英語は大丈夫ですか?」と聞かれなければ、don’t mind と言うべき所を don’t careと言ってしまい、相手から誤解される危険があるような極端な場合を除いて、間違いを指摘したりもしない。
今になって思えば、「さすがに、あれは失礼だったかな…」と反省しているが、「ご飯をご馳走するから、英語の勉強について話を聞かせてください」という同僚の申し出を断ったこともある。
以前も書いたが、人に教えることは誰にでもできる仕事ではない。
だから、指導者としての訓練を受けていない私は、人に教えることなどできないと思っている。
確かに独学で勉強して試験に合格したこともあるが、英検2級を取得したのは開始から5年目だったし、準1級に合格したのは開始から6年目だったため、自分の勉強法がベストであったのかは分からない。
その上、当時の自分に合った勉強法が他の人にも合うのかも定かではない。
当然、能力の個人差もあれば、一日に費やすことができる時間などの条件面も違う。
「ここは勝負所だから無理をしてでも頑張る」とか、「これはまだ覚えなくていい」とか自分でもよく分からないことがある。
これを他人のペースで考えなくてはならないのだから、人に教えるなんてことは素人にはできないのである。
・英語は「楽しく」が一番
意外に思うかもしれないが、私は
だと思っている。(自分はそれができていないが…)
よく、「英会話教室に通っても、簡単なおしゃべりをするだけで、TOIECの点数が全然上がらないから、あんなものに通う意味はない」と言う人がいる。
しかし、英語が上達しなくても、授業を楽しんだり、そこで友達をつくることができれば、それだけでも十分、通う意味はあると思っている。
友達と英語で楽しく会話をしたいと思っている人は、英字新聞を読んだり、英語で政治やビジネスの話をしたりする英語力など不要である。
そんな人たちの使う英語の間違いをネチネチと指摘するなど勘違い甚だしい。
だから、他人が日本語アクセントの英語を喋っていたり、間違った文法を使っていても、気にしないようにしている。
私がそのように考えている一番の理由は「お山の大将になりたくないから」である。
たとえば、私は購入した本を読み終えたら、自分の考えをまとめた後に、通販サイトで本のレビューを見ることにしている。
第三者の視点を入れることによって、「自分が読み落とした箇所はなかったか?」、「正しく理解できているか?」の確認ができる。
これは英語の本に対しても同じである。
だが、英語の本には必ずと言っていいほど、低評価を与えて
「この本は自分にはレベルが低すぎる」
「この方法は使えない。英語を上達させる一番の方法は~」
などと得意げな顔で(実際には顔は見えないけど)他人を蔑んで自慢話をしたがる勘違いした人たちがいる。
また、YouTubeで英語の解説をしている動画に「どこどこのシーンの発音がおかしい」というコメントをする人もいる。
一体あれは何なのだろうか?
他人の間違いを論ったり、自分は優秀だからこんなレベルに甘んじる人間ではないと主張することで、自分への評価が高まるとでも思っているのだろうか?
私はああなりたくないのである。
・他人の英語に口を出したがる人はその道のプロなのか?
そもそも、彼らのように他人の英語にイチャモンをつけている人間は本当に英語が得意なのか?
本当に彼らは語学で生計を立てているプロなのか?
たとえば、プロスポーツ選手が子どもやアマチュア選手のプレーを見て
「全然ダメ!!」
「ヘタクソすぎる!!」
「あんなんじゃプロになれない!!」
「俺がプロになった方法は~」
とダメだししている姿など見たことない。
他人のパフォーマンスをエラそうな顔で採点したがるのは大抵、競技経験があるけれど途中で挫折した人間か、その道のプロに進めなかった人だったりする。
彼らは、かつて小さな世界では敵なし状態で周囲からチヤホヤされていたお山の大将だったが、次第に自分よりも高いレベルの人を目にして挫折したのだけど、かつて「神童」とか「天才」と呼ばれていた時に芽生えた高すぎる自意識を捨てられずにいる。
その結果、他人を評価しマウンティングすることで心の安定を保とうとする。
他人の英語にいちいち絡んでくる人間もこれと同じだと思う。
それも、自分でサイトを作って発言するだけなら、それは本人の自由だが、誰からも相手にされない哀れな連中が、(招待されてもいないのに)他人の敷地に上がり込んで大騒ぎするなど迷惑甚だしい。
一人暮らしで寂しい思いをしている人が、誰かにかまってもらいたくて、買い物先で執拗にクレームをつけてくることがあるようだが、それと同じレベルなのである。
英語は楽しく学ぶことが一番
しかし、あいにく私はそんな素質も指導力を持ち合わせていない。
だから私は他人に英語を教えることはしない。
ましてや、勘違いしているお山の大将たちのように、頼まれてもいないのに他人の英語に口を出したりすることなど絶対にしないのである。