技能実習生の来日を阻止する①

随分前に「日本で働きたい」と思う外国人が比較的簡単に働くことのできる方法を書いた。

http://tehayakawa.com/archives/266

http://tehayakawa.com/archives/273

それらの記事で少しだけ触れたが、この国には外国人技能実習制度という制度がある。

この制度が作られたのは今から25年以上前で、この制度に申し込めば、斡旋された日本の企業で数年間働くことができる。

これはもともと、途上国の外国人が日本で技術を学んで、帰国後にその技術を役立たせることで国の発展につなげるための制度だった。

しかし、当初から受け入れ企業は、この制度を国際貢献のためでなく、日本人が働きたがらない職場の人員確保のために使用していた。

また、実習生の労働環境の劣悪さは相当なものであり、携帯電話やパソコンの使用禁止、パスポートの没収など人権侵害も多く報告されている。

私たちなら、そのような劣悪な職場で働かされても、さっさと辞めるだけで済むが、彼らは申し込み時に土地や家畜を担保にして多額の保証金を払っているため、逃げ出したり、抗議して強制帰国させられると、母国の家族の生活も破綻してしまう。

だから、帰りたくても帰れない。

しかし、それでも耐えられないほど劣悪な労働環境にいる時は別の職場で働くために失踪する。

この記事によると2017年には7000人の実習生が失踪している。

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20181106-00103150/

たとえ、失踪して別の職場に移っても、それは不法就労になるため、実習生の時と同様に足元を見られて、不当な労働条件で働かされることも珍しくない。

そして、最悪の場合、そこからも逃げ出して犯罪組織に行きつくこともある。

中には、送り出し機関にも受け入れ先企業にも恵まれた(数少ない)人もいて、そのような人にしてみれば、この制度を悪く言わないでほしいと思うかもしれないが、この制度では実習生が自由に就業先を選ぶことはできない。

だから、この制度で恩恵を受けた実習生がいたとしても、この制度を肯定することはできない。

もし、知り合いの外国人がこの制度に申し込もうとしたら全力で止める。

今日はそんな外国人実習生の来日を阻止しようと試みた時の話をする。

この記事は2016年の当時のやりとりを基にして書かれているため、現在は制度が変わっていることもあります。

・インターンプログラムに参加する

あれは3年前のことだった。

あるインドネシア人女性が私にメッセージを送ってきた。

彼女は日本へ留学するので、日本語を教えてほしいと言ってきた。

留学とは語学学校のことだろうか? それとも大学のことだろうか?

私は彼女に尋ねた。

すると、彼女は学校に通うのではなくインターンとして働くのだと言った。

しかし、「何の仕事ですか?」という私の質問に対して、彼女は「まだ決まっていません。」と答えた。

「決まっていない」ということは「インターンに参加するつもりだけど、どのプログラムに参加するのかは決めていない」という意味だろうか?

しかし、彼女は「日本へ行くためのインターンに参加を申し込んだが、何の仕事をするのかはまだわからない」という不可解な解答をした。

・彼女は悪質な留学詐欺にでも引っかかったのだろうか?

・それとも、人身売買の組織にでも騙されているのか?

・何かトラブルに巻き込まれるのではないか?

そんなネガティブなことを考えていると、ある制度が頭の中に浮かんだ。

彼女が申し込んだのは、悪名高い「外国人技能実習制度」なのでは?

私は彼女に聞いてみた。

   「もしかしてそれは日本の技能実習制度(technical intern training program japan)のことですか?」

「はい。たしかそんな名前です。」

・ひたすら能天気な返事

やはり、彼女は技能実習制度に参加しようとしていた。

おそらく、この制度の実態も知らされずに。

これは何としても来日を阻止しなくては。

というわけで、私は彼女に伝えた。

多くの職場で、

実習生の給料は最低賃金を大きく下回っていること。

長時間労働が蔓延していること。

労災が認められないケースが多いこと。

携帯電話やパソコンの所有を認められず、外部との連絡が取れないこと。

親の家や土地を担保にして保証金を払っているため、帰国したくても、簡単にできないこと。

この悲惨な実態を伝えれば、彼女も考えを変えてくれるはず。

と思っていたが、どうも彼女との会話が噛み合わない。

   「それは本当ですか? そんな話、インドネシアでは聞いたことありません。」

聞かされてないから、騙される人がいるんだろうが!!

   「私の知り合いも看護師として日本へ行ったけど、普通に働いていますよ。」

EPAと勘違いしているのか!?

   「失踪する人が多いのなら、保証金を払わされるのは納得できます。」

なんで、自分もそこまで追い込まれる可能性があるということに気づかんのか!?

・そしてバックレられる

こんな頓珍漢なやりとりをした数日後、彼女からの返事は一切なくなった。

私は念のために相談先の電話番号を送ったが、そのメッセージも未読のままだ。

あれから3年が経った。

彼女のアカウントはまだ残っているが、彼女はここ2年間、ログインさえしていない。

「ひょっとして、ログインできないような環境にいるのではないか?」という最悪の事態も考えられる。

私が真剣に止めても、能天気な返事ばかりする彼女に対して、一瞬、「自己責任」という言葉が頭をよぎったが、今度、同じようなケースが起こったら絶対に止めてみせる。

そんなことを思っていたら、半年後にまた同じような人が現れた。

次回へ続く