前回まで3回に渡って「好きな人はいないけど結婚したい!!」と願う人たちについて書いてきた。
私が言いたいことは前回まででほぼ書き終えたが、このブログの看板はまがりなりにも「ペンパルブログ」という名である(現在は変更)。
というわけで、最後に海外の人たちの意見も聞いてみることにする。
今回の企画を投稿している最中に、これらの理由を英訳した文章を現在ペンパルサイトで交流している人たちに読んでもらって、自分の国でも同じような状況かどうかを尋ねてみた。
・アメリカ人 35歳 男性 (既婚) の意見
アメリカにもその考えに近いものはあります。
アメリカではオンラインで出会ったカップルが結婚するというケースが増えてきています。オンラインで交際相手を探すということは、あなたの考える①と近いと思いますが、結婚まで進むことができる人は、相手ときちんとコミュニケーションの取れる人や、愛情を伝えることができる人たちだけではないでしょうか?
私も結婚前は誰でもいいから理解者が欲しいと思ったことはありません。
②の経済的理由で結婚したいと考えている人はアメリカにも多くいます。ただし、あなたが言った「女性が男性に養ってもらう」というのが理由ではなく、都市部では生活費が高くなるため、二人で協力して生活費をシェアしたいという理由で結婚したいのだと思います。
③については公に宣言している人はいませんが、そのような考えを持っている人はいます。
一人前の大人は結婚して家庭と車とマイホームを買うものだという考えです。さすがに最近は経済的理由でそのような人生を送ることが難しくなっていることが知られてきていますが・・・
・メキシコ人 40歳 男性 (既婚) の意見
私の周りでは①と②の理由で結婚したいと言っている人は見たことがありません。
ただし、③の早く結婚して家庭を持たなければというプレッシャーを感じている人(かけてくる人)は多いと思います。
でも私は妻と一緒にいたいと思って結婚したので、誰とでもいいから結婚して家庭を持ちたいと思っていたわけではありません。
・タイ人 32歳 女性 (既婚) の意見
①の理由は多分あると思います。
私も結婚する前は「一緒にいてくれる人がいたらなあ」と思っていたことがありました。
②については、タイでは結婚しても仕事を続ける女性が多いので関係ないと思います。
私も結婚する時には特にそのようなことは考えませんでした。
③は田舎ではそういう考えの人がいるのではないか思います。
私はずっと都会(バンコク)に住んでいますが、地方出身の人は家族から早く結婚することを勧められているという話をよく聞きます。
多分、あなたの言うように結婚することが道徳になっているのではないかと思います。私はその考えには賛成しませんけど。
・フランス人 31歳 男性 (独身) の意見
①は私も昔、同じような考えを持っていました。
でも結局、そんな理由だけで、女性と交際しても長続きしなかったし、一人が寂しいからという理由だけで結婚しても幸せになれないと思います。
そこはあなたの意見と同じです。
②については全く考えたことがありません。
③の「結婚することがステータスになる」というのは昔はあったかもしれませんが、今も同じことを言う人はほとんどいないと思います。
・台湾人 29歳 男性 (独身) の意見
①についてですが、たしかに私も「誰かと一緒にいたい」と思うことはありますが、その理由だけで結婚しようとは思いません。
②は全くないと思います。
私は日本の文化に興味がありますが、初めて「日本人の女性は結婚したら会社を辞める人が多い」と聞いたときは驚きました。
台湾にはそのような考えはありません。
③の考えを持っている人も多分いないと思います。
結婚するか、しないか、は本人の選択で行うことであって、周りの人を気にして行うことではないからです。
・イラン人 30歳 女性 (独身) の意見
①については考えたことがないから、よく分かりません。
②はよく分かります。
イランは最近まで女性が働くことが難しかったから、あなたの言う通り、女性が結婚相手に最も求めるものは経済力で、結婚して男性に養ってもらうという考えが今でも多いです。
というよりも、日本にもそんな考えがあったことに驚きました。
③についても②の理由と同じように「女性は仕事をせずに家で家事や育児をするべきだ!!」という考えの人が多いので、多くの女性が早く結婚することを求められています。幸い、私の両親はそのようなことは言ってきませんが・・・
・まとめ
・結婚したい理由①:(幻の)理解者が欲しい
これについては「昔はそのようなことを考えていたが、それは結婚の理由には結びつかなかった」という人と「全く考えたことがない」と人が半分に分かれた。
また、「一人でいることが寂しい」と思っても、それだけで結婚する理由にはならないようだ。
・結婚したい理由②:経済的理由。自分の生活を支えてくれる救世主が欲しい
イランの人からは私の主張とほとんど同じような回答が得られた。
というよりも、宗教的な理由から女性の社会進出が抑圧されていそうなイメージのあるイラン人に「日本にも同じ考えがあるのか!?」と驚かれたことが何とも複雑なのだが・・・
一方で、アメリカ在住の人からは「経済的な理由で結婚することはあるが、それは一人で生活することが大変なので、一緒に住むことで生活費をシェアしたい」という全く違う理由が聞けた。
・結婚したい理由③:「既婚」というステータスが欲しい(&圧力をかける道徳バカ)
アメリカ人とメキシコ人が、この「周囲の目が気になるので結婚した方がいい」という意見に理解を示した。他人に寛容そうなイメージのある国だけに意外だった。
それから、イランでも経済的理由と同じく道徳的な観点からも女性の社会進出が厳しいことがわかった。またタイでも地方ではそのような考えが根強いようだ。
また、フランスと台湾ではこのような考えがないことを踏まえると、この「結婚=ステータス、道徳的」という考えは洋の東西で区別できるものでもなかった。
今さらだが、これらは個人の意見なので、この内容だけで各国の風習、慣例を表すことはできない。
それでは、最後にイラン人の女性から聞いた、心温まる話をしたい。
私の祖母は私が結婚することを望んでいますが、その理由は道徳的なものからではありません。彼女は私にこんなことを言いました。
「あなたのお母さんが今のあなたと同じ年齢の時に、私は彼女に何度も結婚するように言ったの。当時は、女性は結婚して家庭に入ることだけが正しい生き方で、娘を無事に結婚させることが親である私の責任だと思っていたから。でも、私があなたに結婚してもらいたいと思っているのは、お金のためでも、社会のためでもなく、あなたには愛する人を見つけて幸せになってもらいたいだけなの」
日本でも子ども(特に娘)の結婚を見届けるのは親の責任だと考えている人は多い。
たが、孫の結婚を願う祖父母の気持ちはどうだろうか?
私は、多くの人は彼女の祖母と同じく、責任感からでも世間体のためでもなく、純粋に孫の幸せを心から願っているからなのだと信じたい。